黒い筋、スポルテッド
2023.07.06
『安住の郷』
住い手が持っておられた栃の無垢1枚板
どこかで使って欲しいとお聞きしており
耳付きの面白い形状だったのでダイニングテーブル天板に。
お預かりした状態時は塗装されてて気づかなかったのですが
削ってみると杢目と混じって黒い筋が!!!
調べてみるとスポルテッドというものらしく
樹木が傷付いた際に雨等と共に侵入した菌やカビによって出来た帯状の黒い筋のことで
人によっては自然にできたこの黒い筋が面白いということで好まれる場合もあり、
特にメイプルのスポルテッドが有名でギターのトップに使われたりしているとの事。
しかし、カビと聞くと、ちょっと嫌かなと思い
お預かりした状態時のように塗料で塗りつぶそうと考えました。
柿渋に墨を混ぜ塗ったのですが結果から先に言うと失敗しました
この作戦、良いと思ったのですが色ムラが酷く上手くいきませんでした。
そこで、一度削り塗装仕上げした板を再度削り直ししてるのがこの写真です。
前田くん、額に大粒の汗を付けながら削る練習です!
二度同じ失敗は出来ないしどうしようか~?
よし決めた!スポルテッドを受け入れよう。
見慣れてくると、確かに面白い模様でこれも味ですね!
少し色味が欲しかったので、水で薄く希釈した柿渋を2回塗し
蜜蝋オイルで仕上げてみました。
経年で少し赤味が出て、良い感じに風合いがでてくると思っています。
脚は桧材で造り、仮置きしてみました。
よし、よし、良い感じだ~
これなら住まい手も喜んでいただけるはず
少し遠回りしましたが、結果良ければ全て良し!!!という事で(笑)